発達障害、就労などに不利益 支援者が改善訴え/兵庫

【2010/10/25付 神戸新聞より引用抜粋】

http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0003557492.shtml

 コミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群や高機能自閉症などの広汎(こうはん)性発達障害。障害として認知された歴史が浅いため、知的障害者や身体障害者に交付される手帳制度がない。制度上は健常者のため、日常生活や就労の面で不利益を受けても、税控除や公共交通機関の割引、就労支援などを受けられないのが現状だ。支援者らは「発達障害者は周囲の理解や配慮で社会的自立が可能。希望すれば手帳の交付を受けられるなど、支援を得やすい仕組みにしてほしい」と訴える。

 発達障害は脳の一部に先天的な機能障害が生じることが原因とされる。知的な遅れがある場合とない場合があり、知的障害、精神障害との境界も明確でない。このため、発達障害と診断されても知能指数(IQ)が知的障害の基準(70~75以下)を上回る場合、療育手帳の交付の対象外となる。

 療育手帳や身体障害者手帳を発行できるのは都道府県と政令都市。兵庫県は例外的に2006年度からIQの上限値を撤廃している。県障害福祉課によると10年度現在、県内で1073人の発達障害者(児)が療育手帳を所持している。神戸市は「原則IQ75以下」という基準を設けているものの、弾力的に運用しており、障害者更生相談所の担当者は「76を超えた場合でも、日常生活を送る上での難しさなどから総合的に判断している」と話す。

 全国的には兵庫県や神戸市のような対応は少数だ。障害者専門の人材紹介会社テスコ・プレミアムサーチ(東京)社長で、発達障害者の就職活動についての著書もある石井京子さんは「療育手帳はIQの上限値が自治体によって異なっており、不公平感が強い」と制度の見直しを促す。

 総務省が09年度に、全国から抽出した16自治体(14道府県、2政令指定都市)の上限値を調べたところ、4自治体が軽度知的障害に当たる「70」、12自治体が「75」だった。これを受け、総務省は発達障害の特性を踏まえた支援を検討するよう、厚生労働省に求めたが、改善に向けた動きは鈍い。

 発達障害者の中には、職場での人間関係がうまくいかず仕事を辞める人も少なくない。再就職もおのずと厳しい。療育手帳を持つことで障害者枠の採用という可能性も開ける。

 UCCグループの特例子会社で、データ入力や印刷物の発注業務などを請け負う日本パーソネルセンター(神戸市中央区)では9人の発達障害者が契約社員として働く。その一人、西宮市の岸田宏茂さん(33)=仮名=は就労前に「広汎性発達障害」と診断され、09年2月に療育手帳の交付を受けた。

 「障害者だという自覚は全くなかったけど、漠然と感じていた疎外感や生きづらさの理由が分かり、診断で楽になれた」と岸田さん。職場ではパソコンを扱う集計作業などを任されており「周りに無理に合わせる必要がなく、ストレスを感じない」と笑顔を見せる。

 一般的に、障害者枠の採用は正社員に比べて給与水準が低い。岸田さんも1年ごとに契約更新の必要があるが「障害者と分かるまでは、よく『こんな簡単なことがどうしてできないんだ』という目で見られた。今の方が働きやすい」と前向きに考える。

 ひょうご発達障害者支援センター・クローバー(高砂市)の和田康宏さんは「手帳を持つかどうかを選べるのは大きな強み」と評価しつつも「発達障害の可能性がある人の保護者には手帳に抵抗感を示す人もいるだろう。手帳のメリットを周知していく必要がある」と付け加えた。


テーマ : 福祉関連ニュース
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私も今年夏、精神障害者手帳を取得しました。
AQ値が高く就職はおよそうまく行きませんでしたが、
収入が安定した職につきたい限りです。
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