知的障害者逮捕の際、どう支援 民間団体が冊子に/滋賀
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101017000011
知的障害者が刑事事件で警察に逮捕された際に家族や福祉関係者らがどのように支援すればいいのか解説する冊子を、民間団体「大津権利擁護研究会」が10月末に発行する。障害やトラブルの状況を十分に伝えられない知的障害者に代わって、取り調べをする警察へ情報を提供する方法などをイラスト入りで説明している。
「知的障がいのある人が地域で安心して暮らすために-逮捕の連絡を受けてから起訴まで」(A5判、28ページ)。障害児者の関係者、社会福祉協議会、弁護士、大学教員などでつくる同研究会が約3年かけてまとめた。
冊子は、逮捕から起訴されて裁判に至る流れを図示した上で、対応策として、警察署や担当警察官の名を聞く▽警察に障害者の情報を伝える▽拘置時に面会して不安を和らげる-ことなどを紹介している。弁護士事務所など相談機関の連絡先一覧も載せた。
家族や福祉関係者から警察や検察に情報提供する場合については、「正確に受け答えがしにくい」「分からなくてもハイと返事をする」「自分と他人の物の区別が難しい」などと内容を例示した。情報を伝えたことで障害者と警察との意思疎通が改善した実例も挙げた。
研究会事務局の越野緑さん(35)は「家族や福祉関係者は『何もできない』とあきらめたり、問題を1人で抱え込まないで」と話す。
1万部作製し、大津市の障害児者の団体や学校、施設のほか、民生委員、警察署などに無料配布する。市外の人や希望者は大津市やまびこ総合支援センターに。