特別支援学級、窓に金属柵 県教委指導で取り外し 愛知
http://www.asahi.com/edu/news/NGY200907180022.html
自閉症や情緒障害の児童が学ぶ特別支援学級の窓に、愛知県尾張地方の市立小学校が6月、金属製の柵(さく)を取り付けた。同小によると、「教室が2階にあるので、安全のための緊急避難的な措置」だったが、県教育委員会から「違和感がある」と指導を受け、17日、柵を外した。学校側は「反省すべき点もあった。見直す以上は早く進めるべきだと判断した」と説明している。
この小学校によると、特別支援学級は2クラスあり、1年生1人、2年生3人、5年生1人、6年生2人が学んでいる。学校が柵をつけたのは、1年生を含む計4人が所属する「自閉症・情緒障害」のクラス。
4月に新入学した1年生児童はパニック状態になることが多く、ロッカーなどによじ登ることもしばしばあったという。6月上旬、同じクラスの保護者が登校時、児童が2階教室の窓から半分以上身を乗り出しているのを見つけて学校に伝えた。学校側は市教育委員会と相談のうえ、柵を取り付けた。
2クラスにはそれぞれ担任がおり、昼時までは支援員1人が授業や給食を手伝う。同小の校長は朝日新聞の取材に対し、「それでも他の児童と向き合っていて目を離すこともある。命の安全を第一に考えた緊急の措置。本人が危険を認識できるようになれば外せばよいと考えている」との見解を述べていた。
設置前には、窓を少ししか開かないようにしたり、網戸をつけたりするなどの案が出たが、暑さや強度の問題から柵を選んだ。児童の保護者からは感謝されたという。
県教委によると、特別支援学級は1階の職員室や出入り口に近い場所にあることが多いという。しかし、この小学校の場合はスペースの都合で08年度の学級設置時に1階に置けなかったほか、この児童の入学にあたり、保護者から「1階だと外に飛び出してしまう」と聞き、2階に据え置いた。
朝日新聞は14日にこの小学校に取材し、県教委に見解を求めた。これを受け、県教委が事情を聴き、「景観上、違和感があり、一般の人がどう思うか」「教室内にいる児童にも閉塞(へいそく)感があるのではないか」と意見を述べたところ、この小学校は市教委と相談のうえ、17日に柵を外した。
校長は方針を変えたことについて、「外部の見方もあり、県教委の意見も参考にした。改善するなら早い方がいいと判断した」と説明。16日午後には、特別支援学級に通う他の保護者らと話し合い、同意を得たという。この際、保護者からは「他の児童の教室もある2階で、一緒に交流できる今の状態がいい」として、教室を2階のままにするよう求める意見も出た。学校側はこれらも踏まえ、強度の高い網戸など柵に代わる設備を夏休み中に新たに設けることを検討している。
また、設備面だけでなく、児童に応じた個別の指導内容を吟味するよう県教委から指示されており、これについても「すでに実施しているが、さらに綿密な指導を心がける」と話した。
県教委特別支援教育課は「命の安全を最優先したことは分かるが、配慮を欠いた部分があった。学校の対応を注視していく」と話している。(青瀬健)




